ノルウェーを代表する演出家 アラン=ルシアン・オイエン演出・振付による新作ダンス作品。
2024年3月に神戸での滞在制作を経て、同年5月ノルウェー・オスロにて世界初演。
その後ヴェネツィア、アムステルダムなどヨーロッパ各地で上演し評価を得た本作を、神戸文化ホール、横浜赤レンガ倉庫1号館、グランシップの3館が連携し上演。
演出・振付:アラン=ルシアン・オイエン
出演:森山未來、ダニエル・プロイエット、青葉会スペリオル&男声合唱団
企画監修:宮城聰
上演時間:約70分(終演後、アフタートーク実施予定)
●森山未來
©Takeshi Miyamoto
1984年、兵庫県生まれ。5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年には文化庁文化交流使として、イスラエルに1年間滞在、Inbal Pinto&Avshalom Pollak Dance Companyを拠点にヨーロッパ諸国にて活動。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求めて、領域横断的に国内外で活動を展開している。俳優として、これまでに日本の映画賞を多数受賞。ダンサーとして、第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。東京2020オリンピック開会式ではオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年4月より神戸市にArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立し、運営に携わる。ポスト舞踏派。
2024年のある日。美しい友人であり、素晴らしい振付家・演出家であるアランは今作「STILL LIFE」の企画書冒頭に、ランドアーティスト、アンディ・ゴールズウォージーの文章を引用した。
「私たちは往々にして、自分たちが自然の一部であることを忘れてしまう。
自然は私たちと切り離された存在ではない。
だから、自然とのつながりを失ったと言うとき、それは自分自身とのつながりを失ったということなのだ。」
西洋と東洋の「自然」の概念は違うと言われている。明確にはnature=自然では、実はない。しかし他者との、自然との、そして自分自身との断絶は、同時代に生きる全ての人たちとって危急の事態なのではないだろうか。
森山未來
●ダニエル・プロイエット

●アラン=ルシアン・オイエン(演出・振付)
自然と私たちの、静かな再会。
私たちはしばしば、自分たちが自然そのものであることを忘れてしまいます。自然は私たちの外側にあるものではありません。それなのに、テクノロジーと過剰な情報のなかで、私たちは自然とのつながりだけでなく、自分自身とのつながりさえ失いつつあるのではないでしょうか。
『STILL LIFE』は、私たちと自然との断絶についての作品です。タイトルはフランス語で“Nature Morte(死せる自然)”を意味します。自然が凍りついた静物のように存在し、私たちは生きていながらどこか麻痺している——その感覚を、ダンス、舞踏、そしてコンテンポラリー・シアターを通して探求します。
本作は、森山未來とダニエル・プロイエットのための新作です。二人はいずれもコンテンポラリー・ダンスの枠を大きく越え、新たな身体表現を求め続けてきた卓越したパフォーマーです。歌舞伎、舞踏、コンテンポラリー・シアター、映画、テレビ——多様な領域で培われた経験が、この作品の出発点となっています。この二人による振付的な出会いの場を創ることは、私にとって長年の夢でした。
私は誠実さをもって創作したいと考えています。シンプルな演劇的手法を用いながら、自らを偽らない舞台を創りたい。舞台には海や森の背景画が吊られ、装飾のないアナログな空間が広がります。そこに立つのは二人の身体、そして人間の声。ささやき、ハミング、呼吸、視線、触れること——人間の最も根源的な表現によって、私たちの「詩的な自己」と再び出会うことを試みます。
『STILL LIFE』で私は、内なる自然と外なる自然の双方に向き合いたいと考えています。自分自身との関係を見つめ直すことが、やがて他者や、この世界との関係をつなぎ直すことにつながる——その可能性を、この作品の中で探りたいのです。
アラン=ルシアン・オイエン