NEW ブルース・リウ 「待望の6月リサイタルにむけて」のインタビューを掲載!(ページ内下部へ)
反田恭平や小林愛実ら、日本人ピアニストが目覚ましい活躍を見せたことでも話題となった2021年の第18回ショパン国際ピアノ・コンクール。
グランシップリサイタル・シリーズでは、2023年に小林愛実(4位)・アレクサンダー・ガジェヴ(2位)、2024年にマルティン・ガルシア・ガルシア(3位)の演奏をお届けしました。
そしてついに満を持して、コンクールの優勝者ブルース・リウが登場!
世界の頂点に立ち、更なる躍進を続けるブルース・リウの、息をのむような美しい演奏を会場で。
【出演】
ブルース・リウ(ピアノ)
【曲目】
リゲティ : ピアノ練習曲集 第1巻第4番「ファンファーレ」
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」嬰ハ短調Op.27-2
ショパン : ノクターン第7番 嬰ハ短調 Op.27-1
ショパン : ノクターン第8番 変ニ長調 Op.27-2
ラヴェル:鏡 第4曲 「道化師の朝の歌」 ニ短調
ドビュッシー:夢
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」 ハ長調 Op.53
モンポウ:「月の光」によるグロッサ
モンポウ:「月の光」による幻想曲
リスト:スペイン狂詩曲
※都合により、内容が変更になる場合がございます。
\【販売終了しました】2026年度「ピアノ・リサイタルセット券」〈数量限定〉/
下記①~③の全てが楽しめるお得なセット券。合計17,000円のところ、セットでの購入で13,600円でお求めいただけます。
①6/13(土)17:00~ 第18回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝 ブルース・リウ SS席9,000円
②8/23(日)14:00~ 第12回浜松国際ピアノコンクール第1位 鈴木愛美 一般3,500円
③11/14(土)14:00~ 第29回クララ・ハスキル国際ピアノコンクール優勝 中川 優芽花 一般4,500円
*会場は全て中ホール・大地
【注意事項】
※<数量限定>先行販売分、一般販売分とも予定枚数に達し次第販売を終了します。
※チケットのキャンセル、変更、再発行はいたしません。
※単公演購入後にセット券への変更はできません。
※セット券エリアの中でお好きな席をお選びいただけます。
※グランシップ友の会ポイントは付きません。
※グランシップチケットセンター窓口・電話は大変混み合います。便利なWEB予約をご利用ください。
※おひとり様5セットまで購入可。
グランシップ友の会先行販売:1/25(日)~31(土)
一般発売:2/1(日)~
ブルース・リウ(ピアノ)
2021年第18回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝。
2024/25年シーズンは、ルクセンブルク・フィルとグスターボ・ヒメノ、ロンドン響とサー・アントニオ・パッパーノ、フランクフルト放響とアラン・アルティノグル、ウィーン響とマリー・ジャコ、ロッテルダム・フィルとラハフ・シャニ、タングルウッド音楽祭などと共演。これまでには、ロサンゼルス・フィル、サンフランシスコ響、フィラデルフィア管、NHK響などの主要オーケストラと、ライアン・バンクロフト、チョン・ミョンフン、パーヴォ・ヤルヴィ、ファビオ・ルイージ、ヤニック・ネゼ=セガン、ジャナンドレア・ノセダなど著名な指揮者と共演。
リサイタルではこれまでに、ブリュッセルのボザール、ウィグモアホール、フィルハーモニー・ド・パリなどに出演。2024/25年シーズンには、カーネギーホール、シャンゼリゼ劇場などで再演するほか、ウィーン楽友協会などでデビューを飾った。ドイツ・グラモフォンの専属レコーディング・アーティスト。
リチャード・レイモンドとダン・タイ・ソンに師事。中国人の両親のもとにパリで生まれ、モントリオールで育った。驚異的な芸術性は、ヨーロッパの洗練、北米のダイナミズム、そして中国文化の長い伝統といった多文化の遺産によって形作られてきた。
ブルース・リウ インタビュー
待望の6月リサイタルにむけて

―インタビュー・文:青澤隆明(音楽評論家)
ショパン国際ピアノ・コンクールの話題で賑わった2025年、前回の優勝者として脚光を浴びたブルース・リウは、多彩なレパートリーへの挑戦を進めていた。
昨年3月の来日リサイタルではロシア音楽に新境地を聴かせたが、次なるシーズン、2026年6月の来日で私たちに届けられるのは、さらに多彩な驚きに満ちたプログラムだ。
リゲティのエチュード「ファンファーレ」で始まり、ベートーヴェンの「月光ソナタ」嬰ハ短調 Op.27-2から、ショパンの「2つのノクターン」Op.27(嬰ハ短調と変ニ長調)に繋いで、ラヴェルの「道化師の朝の歌」にいたる。
後半のプログラムは、リストの「スペイン狂詩曲」で結ばれる。2025年6月にこのインタヴューを行った後、その前段9曲目が変更されて、ドビュッシーの「夢」、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン・ソナタ」ハ長調Op.53、そしてモンポウの2作が含まれることになった。
フランス民謡「月の光」にもとづく、モンポウのグロッサとファンタジアは、生前には未出版だった美しい小品で、これらが選ばれたのは私にとってはうれしい驚きであり喜びだ。ベートーヴェンの異なる時期の名作ソナタが前後半ともに中盤に据えられたのは、来たる2027年の作曲家没後200周年を見越してのブルース・リウのチャレンジかもしれない。
―ちょっと不可思議な、しかし美しいプログラムですね。さまざまな色彩とリズムがきこえてきそうですが、選曲のコンセプトとしてはどんなことを考えられたのでしょう?
ルネ・マグリットの絵画をみて、影響を受けました。シュールレアリスティックで、暗い夢に満ちていて、昼と夜がおなじ絵のなかにある感じです。
―月の光にふさわしく、#と♭の多い曲も続きますね。
ええ。でも、実のところ、それほど多くのものが複雑に詰め込まれているようにはみえませんよね。とても夢みがちで、月のようなコンセプトです。
―いっぽうダンスの要素も色濃くて、スペイン舞踊の趣はもちろん、リゲティの「ファンファーレ」は古代トルコのリズムでしょう。いっぽう、ショパンのノクターンではベルカントも聞こえる。そうしたすべてを包み込むような、とてもユニークなプログラムになりますね。
まず月の光というコンセプトがあって、それからスペイン的な面にいたります。
プログラムの始まり、リゲティのこの曲は、不条理にも月へ行くような趣があります。ちょっと意味をなさないように思えるけれど、考えてみれば、意味をもっているということがわかる。月は結局のところ、私たちが思っていた美しいものではなくて、非常に奇妙で無秩序なものです。月の映像をみれば、とてもミステリアスで、とても暗く、とても寒いでしょう。
この種の不条理さがリゲティから出てきて、ベートーヴェンの《月光ソナタ》に転じて行くのは、とても素敵だなと考えました。ショパンのノクターンはその続篇のようにして、《月光ソナタ》を基本的に同じ調性で追っていく。それから、ラヴェルの〈道化師の朝の歌〉では、スペイン舞踊というテーマへと向かう方向性をみせます。
―そして、リストの〈スペイン狂詩曲〉でプログラム全体を結ぶのですね。あなたがルビンシュタイン国際コンクールで演奏された曲でもありますが、やはりつよい愛着があるのでしょう?
ええ、馴染みの曲です。あれ以来、 コンサートでは弾いていないけれど。でも、僕の“ティーンエイジャー・ピース”なのです(笑)。
―スペイン音楽への興味についてはどうですか?
スペイン音楽が全般としてどうかはさておき、僕はスペイン音楽の西洋と東洋の結合を楽しんでいます。その両方が混ざり合ったもので、そこが非常に興味深い要素だと思います。
―このプログラムのなかで、あなたにとって新しいレパートリーとなる作品はありますか?
たくさんありますよ。ノクターンは新しいし、《月光ソナタ》も新しい。だから、半分新しくて、半分古い感じかな。
―いろいろな作曲家がいますが、月のように遠くではなく、近くにその存在を感じるのですね?
たしかに、他よりの人よりも近くに感じる作曲家はいるし、そうではない作曲家もいます。でも、僕が大事だと思うのは、自分の友達のように作曲家と接することです。彼らとおしゃべりをして、飲みに行って、冗談を言ったりするようにね。
つまり、楽譜の背後にあるものを引き出すのが大切だということです。楽譜に記されたことだけではなくて。作品の意図というのは、楽譜に書き入れることのできないものだから。
―それにしても、さまざまな光彩と陰翳、かたち、色彩とリズムに満ちたプログラムです。はたして、私たちはこのコンサートを聴いて、月に行けるのでしょうか?
それはわかりません(笑)、人はそれぞれ、違う精神をもちますから。人によっては、月のことなど考えもしないかも。
―マグリットの絵画との関連について、もう少しだけおききしたいです。
最初はとても直観的に、ヴィジュアルに、このプログラムのコンセプトとなりましたが、もちろん結局はそこから跳び出していった感じですから、これらの曲が彼の絵とどう関係するというようなことは言えません。それはある種、抽象的な思考の範疇ですからね。
ただ、なにか非常に不条理なものと、非常にオーガナイズされたものの間にある。そして、イリュージョンのなかでは、ときに自分がどこにいるのかわからない。―そのような趣きのプログラムです。もちろん、光をもってこれを演奏するのは、僕の大きな目標ですけれど。