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「静岡JAM2025」出演  キーボーディスト ADAM atさん スペシャルインタビュー

2025年2月23日(日・祝)「静岡JAM2025」に出演するキーボーディスト ADAM atさんのスペシャルインタビュー

「知らない音楽やバンドと出会う喜びも味わってもらえたら。」
ADAM at



NHKプロ野球放送のテーマ曲やキューピーマヨネーズのCMソングなどを手がけるキーボーディストADAM at。ピアノ・インストゥルメンタルのトップランナーとしてジャズやロック、スカ、ポップスなどを取り込んだ唯一無二の音楽は、タワーレコードの年間ジャズ・セールス・チャート1位を獲得し、更なる進化を遂げながら新しいジャズシーンで人々を魅了し続けています。2025年2月に初開催となる「静岡JAM」では、静岡出身のアーティストとして出演。曲作りや公演への思いを聞きました。 

街路樹が色づき始めた11月中旬。ライブツアーの真っ只中、グランシップ大ホール・海に現れたADAM atさん。磐田市出身で、今も県内に住んでいるという話題から、自身のルーツへとお話が移りました。

 ―ピアノを始めたきっかけは?

 両親の勧めで始めました。二人ともピアノを弾きたくても弾くことができなかったらしく、子に夢を託したんでしょうね。子どもの頃はピアノが全然好きじゃなくて。練習が面白くなくて嫌で嫌でしょうがなかったんですが、小学5年生ぐらいの時に父がビートルズのCDと譜面をくれて、それを聴いて、弾いていたら楽しくなりました。

―お父様がジャズ好きで影響を受けたとか?

中学2年の多感な時期にジャズを押しつけられて、その反動で(ヘヴィ)メタルに行きました。 



―ADAM atさんの曲と言えば独特のリズムとメロディアスな曲調。宝石箱とおもちゃ箱をひっくり返したようなキラキラ、わくわくするサウンドはどのようにして生まれたのですか?

ピアノの練習が嫌で、でたらめに弾いているうちに「いいな」と思ったフレーズを曲にしていったような気がします。 

―でたらめのフレーズを編集して曲にしてしまうとは、すごい才能ですね。

いやいや、何でもインプットとアウトプットだと思うので、多分いい曲をたくさん聴いてきたからだと思います。その中でもやっぱりメタルが多いですかね。ジャズだとSOIL&"PIMP"SESSIONSも好きなバンドです。影響を受けたのは、ブライアン・アダムス。中学の頃から僕のロックスターです。ピアノではできないことをやっているメタルと、メロディーラインが綺麗なブライアン・アダムス。ピアノでできないことと、ピアノだからできること。その両方に惹かれます。

 ―中学の時に初めて組んだバンドもインストゥルメンタルだったそうですが、インストの魅力はどんなところだと思いますか?

歌詞がないので、音が描く情景や聴くシーンを聴く側に委ねられるのがいいなと思います。僕としては冬の曲のつもりで書いたものが聴く人によっては夏っぽいと感じることもあるだろうし、寂しい曲だと思って作ったら勇気付ける曲とされていたり。聴く側が主役になれるというイメージがありますね。



―2月の「静岡JAM」はこの大ホールで行います。

 実は昔、小田和正さんや東京スカパラダイスオーケストラがコンサートをした時に、イベント会社のアルバイトで来ていて、デカイ会場だな、と思っていました。暗くて、狭くて、暑いライブハウスでしか演奏してこなかったので(笑)、今回お話をいただいた時に、あの会場か!と思い出してワクワクしました。
これまで、色々な場所で演奏してきましたが、そこで得たものを地元に還元したいという思いがあります。自分の音楽をきっかけに静岡を訪れた人には、「静岡って良いところだよね。」と思ってほしいですし、地元の人には「身近にこんなイベントがあって、やっぱり静岡っていいよね。」と思ってもらえればと。

―どんなステージを思い描いていますか?

 これだけ大きい会場でやらせてもらえる機会をいただけたので、ここでしかできないことをやれたらいいですね。出演する3組の中で地元は僕だけなので、彼らをもてなす側として、僕の曲を皆で演奏するチャンスがあればいいなと思っています。

―演奏曲は決まりましたか?

NHKプロ野球放送のテーマ曲『六三四』は、僕を知らなくても曲を知っている方が多かったりするので演奏すると思います。多分、『定時で帰ろう』も。

―歌もの(『定時で帰ろう』)も演奏するのですね!

インストに限定しているわけではなく、お客さんが楽しんでくれるのが一番。それが嬉しくてやっているので。 

―共演する2組にはどんな特徴や魅力がありますか?

自分よりも、TRI4THのほうがジャズ寄りかもしれないですね。ノリノリの踊れるジャズ。ロックンロールに近いかもしれない。fox capture planはピアノインストに近いかな。ドラムの井上司君がロックやハードコアバンド出身ということもあって、ピアノ、ベース、ドラムのスリーピースでも「静」と「動」が同居していて物語を紡ぐような曲が魅力。 

「静岡JAM」のチラシにある新しいジャズシーンって良い言葉ですね。ここから新しいものを発信しようという思いが伝われば嬉しいです。 



―ライブ活動やアルバム制作、楽曲提供、テレビ番組の主題歌、CMソング…と幅広く活動されていますが、今後はどんな展開になりそうですか?

ずっとバンドマンでいたいんです。別に、スターにも、タレントにも、芸能人にもなりたいわけではないので。ただ、聴く側も演奏する側も健康に気を付けて、ライブハウスで一緒に遊べたらいいなと思いますね。
それから、まだ出てみたいフェスが各地にあります。音楽にはそれまで縁のなかった土地にも人を立ち寄らせる力があるので、音楽で一つの街を明るくすることができたらいいなと思います。

―最後に、このマガジンを愛読している方々にメッセージをお願いします。

娯楽がとても多い世の中で、昔に比べて音楽の比重が減っていると感じていて。CDなどで音楽を純粋に聴く時間も少ない中で、音楽を選んでくれたら嬉しいなと思いますし、一つのことに時間や気持ちを注げることが、とても贅沢なことだと思うんですよ。みんなタイムパフォーマンスを求めがちだから、「静岡JAM」で純粋にライブを見る贅沢を味わってもらえたら嬉しいです。僕らは誰しもが知っているミュージシャンではないですが、知らない音楽や知らないバンドと出会う喜びもあると思います。想像以上に盛り上がるステージにするので、ご期待ください! 



音楽が好きで好きで、音楽を好きな人を思う気持ちも人一倍強いADAM atさん。「お客様が大切なお金と時間を割いて、自分のライブに来てくれる気持ちを絶対に忘れてはいけない」と話していたことが印象的でした。人を楽しませるセンスも、思いやりも一級品。「静岡JAM」が待ち遠しくなりますね! 


 ADAM at (アダムアット)  キーボーディスト 
静岡県磐田市出身。2011年12月に浜松市のライブハウスでインストゥルメンタル・セッション・バンドとして活動を開始。NHKプロ野球放送のテーマ曲として書き下ろした『六三四』は、2015年から2024年現在まで使用される。タワーレコード年間ジャズ・セールス・チャートで上位を獲得するほか、2018年からは浜名湖ガーデンパークで「INST-ALL FESTIVAL」を開催。数多くの国内外のフェスティバルに出演するほか、テレビ、ラジオのCM音楽やテーマ曲を多数手掛ける。2025年1月に、メジャーデビュー10周年ベストアルバム「The Creation of ADAM」をリリース予定。


グランシップマガジンvol.40の読者アンケートプレゼントはADAM atさんのサイン入りポーチ&アクリルコースターです。エントリーはこちらから。

静岡JAM2025 
2/23(日・祝) 16:00~(20:00終演予定) 
大ホール・海 
一般4,000円 こども・学生1,000円 
〈出演〉 ADAM at/TRI4TH/fox capture plan

 

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